ノーサイドゲームが熱い!府中市内でのロケ地はなんとあんなところで・・。
今、かなり一生懸命見ているドラマがありまして・・・。TBSで日曜の9時に放送しています、
ノーサイド・ゲーム というドラマです。
池井戸潤さんの原作の小説のドラマ化で、これまでこの時間で池井戸作品である「半沢直樹」「陸王」など数々のドラマを見てきました。
いままでのドラマは自分のミスを部下になすりつけてしまうような銀行や、今にも倒産しそうな足袋屋を舞台に、その企業の成長をえがいてきました。
主人公たちの迷い、決断、努力・・そのようなものを「自分だったら・・?」と重ねあわせて見てきました。私も塗装店というものを構えて、日々頑張っていますので、どうしても自分とかさなるところがでてくるものです。
半沢はどちらかというと主人公の復讐・・・というところが目立っていましたので、最後、悪役がやられるとスカッとするものがありましたが、陸王は足袋屋を構える社長が、時に迷い、考え、怒り、涙し・・そんな主人公の社長を自分と重ねあわせる場面が結構あり、感情移入していきました。
「あれはうれしいだろうな・・」 「あれは悔しいだろうに・・・」そんな思いをいつも抱きながら・・。
ですから、どちらかというと陸王の方が涙、涙・・・で見ていました。
池井戸潤さんは元銀行マンです。ですから、銀行の内側を書いていくのはお手の物だと思います。ですから、半沢直樹は銀行のしきたり、暗黙の了解・・など「へえ〜そんなもんなんだ・・」という場面も結構あり、楽しく見させていただきました。
ですが、陸王は足袋屋がランニングシューズを開発する・・というお話です。このシューズで起死回生を狙う! シューズのこと、ランナーの技術のこと、ランナーとスポンサーの関係など・・・よく取材をされているんだな・・と思ったものです。
そして今回のノーサイド・ゲームもラグビーの物語。この作品もよく取材をされているなあ・・・と思いました。
実はこのノーサイド・ゲーム、最初はそこまで見る気がありませんでした。そこまで陸王のように熱いものを持ってみられるのかな?と思ったからです。
まず、ラグビーがわからない。ルールを知りません。ワールドカップも今年あるわけですが、私の住む府中も会場になるにもかかわらず、本当に興味なし・・・でした。
そして物語もただチームが強くなる・・いわゆる「スポ根」みたいな感じかな?と思ったからです。
そして主演が大泉洋さん・・俳優というよりはお笑いの人・・という感じがあったのです。本当にあまり期待していなかったのですが・・・。
本当に裏切られました・・いい意味で。
やっぱり見よう!と思った最初のきっかけは「本当に府中が舞台で、本当に府中市内でのロケを敢行し、制作されている」ということでした。
それも本当に我が家の近くも近くでロケをしているということだったからです。
この写真の場所は、昔は「石勝」という石屋さんでした。そばに多磨霊園があるのですが、そこへお参りにくる方々をもてなすお店でした。
このあたりは石屋と参拝客をもてなす・・を兼ねたこういったお店・・というのが軒を連ねているのですが、時代の波には勝てず、やむを得ずたたむ・・というお店も少しずつ増えてきています。
そんなこの場所でノーサイド・ゲームは撮影されています。古いたたずまいの店・・外観だって時代に取り残されてしまった感がありありで・・・でも、だからこそいいんですよね、この古びた感じが・・そして居酒屋「多むら」として蘇るわけです。
ここは物語にでてくる主要キャストたちが集う呑み屋として使われています。ここは私は本当によく通るところで、隣接している駐車場の中にファミマがあるのですが、ここは私もよく利用していますし、そのファミマがON AIR の中で画面の中に写り込んでいます。
ここは夜のシーンに使われることが多く、なかなか撮影風景を見ることは出来ません。でも物語の中での熱いシーンが、ここから生まれるのです。ぜひ立ち会ってみたいな・・と本当に思います。
そもそもどういうお話なのか? ノーサイド・ゲーム
トキワ自動車の経営戦略室のエリートである君島隼人(大泉洋)は上司である滝川のカザマ商事買収計画に反対し、左遷されたのはトキワ自動車の府中工場です。ここの総務部長の任についた人間は、自動的にトキワ自動車のラグビー部 アストロズのジェネラルマネージャー(GM)を兼務することになる。
ただでさえ右も左もわからない上に「弱小チーム」のアストロズの再建まで押し付けられる君島・・しかも彼は学生時代のある苦い経験からラグビーがものすごく嫌い!なのです。
アストロズはプラチナリーグに所属はしているものの、全くと言っていいほど勝てない。完全にトキワ自動車のお荷物と化していた。活動に14億という大金もかかるというが、全く試合に客を呼べないので収支がまるで合わない。滝川が彼をここに飛ばした理由はここにあった。
再建のメドなどまったくたたないチームを君島に押し付け、彼にチームをリストラさせようとします。
最初は君島もこの弱小ラグビーチームを逆に利用して、本社に戻ろうとします。14億の価値はない・・ということでチームをリストラし、それで本社に戻る・・・滝川にそう約束をしてもらった・・はずだったが、それも滝川の策だった
「そんな約束はした覚えはない」
裏切られた君島・・・もうどこにも自分の居場所がない・・おれはどこにいけばいいんだ!おしえてくれ!
こう叫びながら雨の中、アストロズの選手に跳ね返されても、跳ね返されてもタックルしていく君島・・・ラグビーなんてやったことない、ラグビーなんて大嫌い・・・そんな行く場所を失ったどん底の自分と、
社員として働きながらも、ラグビー部員ということに負い目を感じているために、面倒な仕事を押しつけられたり、サービス残業をさせられたりしている部員たち・・。
「なめられてるんだ!!」「最初からそんな負け犬根性でどうする!」 と君島が檄を飛ばします。君たちはそれでいいのか?
もう滝川の裏切りが、かえって彼に火をつけます。よし、やってやる!このどん底のチームと一緒に戦いたい!そして優勝したい!
ここから君島とラグビー部の成長の物語が始まります・・。
ただのスポ根だけではない・・・企業の立て直しの要素と「悪しき習慣」
私が見ようと思ったのは「スポ根だけではない」というところにも大いにあります。劇中、君島は言います。
「勝つだけではダメなんだ!」 そうなんです。14億もの予算をつぎ込んでいるのですから、それを稼がなくてはいけないわけです。
でも、稼ぎ方を知らない・・試合会場に足をはこんでくれるファンもとても少なく、集客ができている状態ではないんです。
経営戦略室の君島ですから、どうやったらお客様を集められるか?を考えて、実行していく・・このあたりは陸王に通じるところもあり
「そりゃそうだよな・・」とやはりお客様にきていただくことを求めていく私と重なる部分があります。そういういろいろな手をみているのも面白い要素です。「がんばって、たくさんのお客様にきていただきたいよね・・」これは未来永劫の自分の願いでもありますからバリバリの感情移入ですね・・・。
原作の池井戸潤さんによると、ラグビーというのは本当に観客を獲得できていないということです。前回のワールドカップでの日本代表の大躍進の直後のトップリーグの試合でさえ、2万人収容のスタジアムが半分しか埋まらない・・。人気がないので放映権なども高くできないし、だからこそ観客動員も落ちていく。
劇中、君島は「もっとファンを大事にして、増やして、もっと試合に足を運んでいただく。そうすればラグビーももっと人気になる、競技人口も増える・・」と言う感じでラグビーの発展を目標にしています。それがアストロズの収益につながるわけですからね。
池井戸さんは「これはラグビーのいいところばかりを褒めてばかりもいられない」ということで、その路線で一度は書きかけた原稿を全て没にしたそうです。ラグビーのために本音でイチから書き直し・・・そうでないと面白いものは生まれない・・というのです。
最新話は第6話なのですが、ここまで本当にそうなのか?はわかりませんが、ラグビー界のTOPである協会会長というのがいるのですが、これが「ラグビーはアマチュアのスポーツ。ラグビーは金儲けのためにやるものではない」という考えの持ち主ですから、その下に従う他のチームのGMたちもご意向にしたがっているだけ・・。君島のだすリーグの経営再建案も全く通らない・・・。
何なんだ!これでは先細っていくだけじゃないか?あなたたちだってこのままじゃいけないのはわかっているはずでしょ?
これでは本当にラグビーが消えて行ってしまう・・と思いました。でも、これだからこそ余計に君島を、ラグビーを商売として成り立たせ行ってほしい!と応援したくなります。
これほどとは思いませんでした・・大泉洋の実力!
大泉洋さんはどちらかというとバラエティーでしかみたことがありません。そこではまあ面白い人で、もう突っ込みどころ満載です。
このドラマの制作発表の記者会見や、スピンオフ企画「私の勝負飯、どうでしょう!」などでもめちゃくちゃ楽しい方です・・。
でもそんな大泉さんは、主人公の君島の役になると、本当に引きつけられる物をビシバシ出してきます。すごいです。ギャップがすごいですよね。あんなに面白い人なのに、あんなに引きつけられるお芝居ができるなんて・・。
飄々とした感じなのですが、芯の通った、決して譲らない、理路整然とした考えや意見を持っている・・・そこに普段の大泉さんとのギャップがありどんどんひきつけられるのでしょう。そしてダメ押しとして「君島の役どころとしての面白い場面」もあります。松たか子さんふんする奥様には怒られっぱなし・・タックルの練習ということで相撲部屋に出稽古に行かされ、たたきのめされてしまったり、リロード(敵味方が倒れたあと、起き上がって定位置につくこと)の早さを早くすることに勝機を見いだしたために、レスリング部に出稽古に行き、吉田沙保里さん(ご本人)にコテンパンにやられてしまったり・・・
このあたりになると、どちらかというとバラエティーの、身体を張った大泉さんがでてきますので「ああ、やっぱりこの人、そういうひとなんだ・・」という思いがありますが、でもだからこそ、真剣に選手たちに訴えかける言葉が生きてくるのだと思います。バラエティーの彼と役者としての彼のバランスが絶妙なのです。
だからこそ応援したくなる主人公なのです。このバランスがどちらかに偏ってしまった主人公でしたら、きっとこれほど感情移入できないかもしれない・・・と本気で思います。
これからの展開も目が離せません
第6話でアストロズのファン感謝祭を開くアストロズですが(この感謝祭の会場も府中の郷土の森公園)そこで行われる「スタメン組」と「控え組」との紅白試合・・・
ここで七尾君がようやく登場・・「やっぱり、アストロズのみなさんとラグビーがやってみたい・・」というニュージーランドでプレーしていた天才ラガーマン。かつて怪我で一時戦線を離脱するも、日本でのラグビーをとりまく厳しい環境から自らラグビーを捨て、普通の会社員として、トキワ自動車に入社・・しかし、NO.1チームサイクロンズとの熾烈な戦いを目の当たりにし、封印していた闘志に再びひがついた・・・
「こんなすばらしい才能をもった選手がラグビーをすてないといけなかったなんて・・」君島はつぶやきます。
この選手の加入によってよりアストロズは強くなる・・・・はずなのですが、強豪チームのサイクロンズがこともあろうか、アストロズの有力メンバーの引き抜きにかかります。彼はアストロズを去ってしまうのか?それとも・・?
そして、君島が反対したカザマ商事買収計画にも、ただの買収劇ではない様子が徐々に表れてきます。もしかしたら、カザマ商事はタンカー座礁事件に大きく関わっている会社かもしれません。こんな会社を買収してしまったら、トキワ自動車がとんでもない目にあってしまうのではないか・・・という会社かもしれないのです。
本当はすぐに本屋さんに行って原作を買ってきてしまいたいのですが・・・そこはあえて我慢しています。毎週日曜を楽しみにしてますので・・・これからも本当に目が離せません。
そして府中という町ももっともりあがっていってほしいと思います。
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